建築の鼻隠しの部所

建築における鼻隠しという部分は、ちょうど屋根材のひさし側面になります。これは屋根材からの構造上、板材で仕切ってしまう場合があり、そこにちょうど金属板で鼻隠しをする構造になります。鼻隠しで行うことは、屋根材の補強という意味ですが、屋根材を支えるという意味ではありません。建築が強度に耐えなくてはならないのは、重量計算の事だけではなく、その風雨に依る損壊や腐食から守るという意味もあります。ですので、鼻隠しの作業には、その強風や暴風雨からの対策というかたちになります。暴風雨が吹きすさんだとしても、その屋根自体の構造上、剥がれて漏水が起こってしまわないように施工します。ちょうど金属質のもので覆うことにより、薄いからの侵食を守ると同時に、木材が浮き出てしまわないようにする外観上の施工のことでもあります。鼻隠しが正確に行われていれば、建築外観としてもまとまった美しさになりますので、屋根瓦式であってもスレート式であっても、しっかりと寸法と曲げの効いた鼻隠しにしたいものです。

鼻隠しの意味

鼻隠しの意味は、屋根から拡がっている裾の部分としての表現に鼻といったのが元でしょう。つまり、屋根からの拡がりを建材の方からすれば、鼻と言ったのです。そして、その鼻の部分に板を張って、強度を高めます。この強度に関しては、建材の壁の部分に雨が浸透しない意味でもあり、そして強風によって屋根が損壊しないようにする為の施工になります。この鼻隠しの施工をしっかりと行っていなければ、せっかくの屋根材としてのスレートや瓦の施工が無意味になってしまうだけでなく、屋根材の老朽化として問題になります。この問題は屋根が落ちる現象や、屋根材の上に乗っている瓦が滑り落ちる原因にもなりますので、屋根の端の構造にはしっかりと気をつけるべきになります。屋根材が乗っている箇所として、屋根の建材の支柱はありますが、これは建物の構造から梁から屋根を支えている支柱とは別物になり、その支柱に対して横に張っている屋根材の支持体になります。鼻隠しはこの支持体の端の方に装着し、その屋根材と支持体の隙間に雨水が入り込まないようにする仕組みの施工になります。鼻とは出っ張ったという意味ですが、屋根材が出っ張った構造になっている意味についても、その風切りの様相としてそう表現されます。

鼻隠しの建造状の理由

鼻隠しの建造状の理由として、建築上の問題点から列挙することができます。従来建築というものは、風雨・天候に晒されます。そしてその天候状の理由から過酷な外環境を防御するという意味で、住空間があるわけです。つまり屋根の下の住空間は快適でなくてはなりません。そして、風雨に耐えると同時に、建物の構造がぐらついてはならりません。ぐらつきが起こる時点で、建物の構造が疲弊して、経年変化への耐久度が薄れてきます。ですので、建物が風に揺れてもならないのです。その構造上の歴史から屋根からのひさしと、そのひさしの側面を守るために、鼻隠しをします。鼻隠しでは、風が強烈にまわっているひさし先端部分に金属加工を施し、その風のまわり方に耐えられるように補強する意味になり、風雨からも風からの振動からも家を守る仕組みになるのです。もし鼻隠しをしない状態では、風の回る現象から、落下とは逆の向きに雨水が浸透してきますので、風を封じている意味も兼ねて、補強しなくてはなりません。そして、木材がむき出しになっていては、その風封じも、漏水の危険性があるのです。

鼻隠しを正確に行う

鼻隠しを正確に行うには、鼻隠しを行う前の板金処理を正確に施工しなくてはなりません。鼻隠しを行うには、基準どおりのパターン工法では、専用の鼻隠し部分があり、いわゆる組付けだけで終わります。ただし、補修注文のような場合では、実際に現場に上がって寸法の測りからしなくてはならないでしょう。そして、鼻隠しの従来品がどのような内部構造によってひっかけられているかを確認します。そして、鼻隠しの金属板を加工していきます。金属板の加工には専用の工具を使用します。ある程度の長い幅を加工できるもので充分です。そしてその金属加工の際に、しっかりと直角にしてはめ込みを行います。また鼻隠しの重ね合わせ加工の際には足場で組んだ上から、少しの処理をはさみやペンチで行います。そして、鼻隠し部材の塗装面を損ねないようにして、ジョイントしていきます。この際に、しっかりとホールドされるように仕組んでから、釘打ちをするのですが、釘打ちの際にも釘が緩んだ際に、水が入り込まないような部分に打ち込みを行います。釘が緩むとは腐食の可能性もありますし、鼻隠しの施工が強風で緩んだ際に、釘が抜けてしまってという事も考えられるからになります。これらの施工は水が入り込まないようにという基準が必要ですし、そして強風によって鼻隠し工程の制作が剥がれないようにするという感覚も工員に必要です。